毎年10月10日は、台湾の「国慶日(Guóqìng Rì)」、通称「双十節(Shuāngshí Jié)」として盛大に祝われる、台湾にとって非常に重要な祝日です。この日は、単なる休日ではなく、台湾の歴史と民主主義の歩みが凝縮された、国民にとって特別な意味を持つ日なのです。
「双十節」とは何か?その歴史的背景
双十節は、1911年10月10日に中国で発生した「武昌起義(ぶしょうきぎ)」を記念する日です。これは、清朝を打倒し、アジア初の共和制国家である「中華民国」の建国へと繋がった蜂起であり、この出来事が現在の台湾のルーツでもあります。
日付が10月10日であることから、「十」が二つ重なる意味で「双十節」と呼ばれています。台湾では、この日を中華民国建国の記念日として、非常に重要な祝日としています。
双十節の過ごし方と祝祭ムード
双十節には、台湾全土が祝賀ムードに包まれ、様々なイベントが開催されます。
- 総統府前での式典: 台北の総統府前では、毎年盛大な国慶日祝賀大会が開催されます。総統による演説、軍事パレード(近年は縮小傾向)、各種パフォーマンスなどが行われ、テレビで全国に中継されます。国歌斉唱や国旗掲揚も行われ、厳かな雰囲気の中にも祝祭感が漂います。
- 国旗(青天白日満地紅旗)の掲揚: 街中や一般家庭、政府機関など、あらゆるところで台湾の国旗「青天白日満地紅旗」が掲げられます。赤、白、青の三色が織りなす旗が、街を鮮やかに彩ります。
- 祝賀花火大会: 台北をはじめ、各地で盛大な花火大会が開催されます。特に近年は、南部・高雄や中部・台中などの都市でも大規模な花火が打ち上げられ、多くの市民が夜空を見上げて祝日を楽しみます。
- 連休となることが多い: 双十節は通常、金曜日か週末に設定され、多くの台湾人にとって3連休となることが多いため、家族や友人と旅行に出かけたり、ゆっくりと過ごしたりする機会にもなります。
双十節に込められた台湾の人々の想い
双十節は、単に「中華民国の建国記念日」というだけでなく、現代の台湾に暮らす人々にとっては、自由と民主主義を守り、台湾独自のアイデンティティを確立していくという強い決意が込められた日でもあります。複雑な歴史的背景を持つ台湾において、この日は国民が自らのルーツと未来を見つめ直し、団結を再確認する大切な機会となっています。
台湾を訪れる機会があれば、ぜひ10月10日の双十節に、その熱気と祝祭ムードを肌で感じてみてください。街を彩る国旗と人々の笑顔、そして夜空を彩る花火は、きっと忘れられない思い出となるでしょう。
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