🏙️ 台湾の街並みと「縦に広がる暮らし」
台北の街を歩くと、細長い高層マンションや低層の古い建物が混在しています。
台湾の住宅は土地が限られているため、上へ伸びる“縦型の暮らし”が一般的。
エレベーター付きの大樓（dàlóu）や、階段のみの公寓（gōngyù）など、
一見似ていても建物の構造や住み心地には違いがあります。
また、1階に商店、上階が住居という「店住合一（diàn zhù hé yī）」のスタイルも多く見られます。
仕事と生活がひとつの空間にあることで、家族経営の温かさや、人と人のつながりを感じられるのも台湾らしい特徴です。
🏢 家の形にみる台湾の価値観
台湾の家は「家族」が中心。
多くの家庭では、子どもが成人しても両親と同居することが一般的です。
結婚すると親の家の近くに住む人も多く、家族の絆を重んじる文化が住まいの形に表れています。
台北の高層マンションでは、3世代同居できる大きなユニットタイプも人気。
広いリビングに家族が集まり、食事や団らんを楽しむ姿はどこか懐かしさを感じます。
一方、若い世代や留学生には、家具付きの套房（tàofáng／ワンルーム）が人気。
プライバシーを保ちながらも、共用スペースで人とつながれる“ゆるやかな共同生活”が魅力です。
💰 家賃と生活スタイル
家賃は都市によって異なりますが、
台北市中心部ではワンルームが月1万〜1万5千台湾元（約5〜7万円）ほど。
台中や高雄などでは6千〜8千元（約3〜4万円）が相場です。
多くの建物には管理員（guǎnlǐyuán）が常駐し、
防犯・郵便管理・清掃などを担当。
夜遅く帰っても声をかけてくれる“街の守り人”のような存在です。
こうした人の温かさが、台湾の「人情味（rénqíngwèi）」を日常に感じさせます。
🌿 限られた空間を豊かに使う
台湾の住宅はコンパクトな間取りが多いですが、
その分、暮らしの工夫に満ちています。
壁掛け収納や折りたたみ家具、ベランダの多目的利用など、
小さな空間を心地よくするアイデアがあふれています。
また、住まいの多くには神棚（神明桌 shénmíng zhuō）があり、
祖先をまつる習慣が今も大切に守られています。
“家は暮らす場所であると同時に、家族と心をつなぐ場所”——
そんな価値観が台湾の住宅文化に深く根づいています。
🗣️ 部屋探しで使える中国語会話
A： 你好，我想租一個套房。
(Nǐ hǎo, wǒ xiǎng zū yí ge tàofáng.)
こんにちは、ワンルームを借りたいです。
B： 想租多久？
(Xiǎng zū duōjiǔ?)
どのくらいの期間借りたいですか？
A： 一年左右，可以看房嗎？
(Yī nián zuǒyòu, kěyǐ kàn fáng ma?)
1年くらいですが、見学できますか？
📚 中国語ミニ語彙
租屋 zūwū 部屋を借りる
看房 kàn fáng 内見する
房租 fángzū 家賃
套房 tàofáng ワンルーム
公寓 gōngyù マンション（低層）
管理員 guǎnlǐyuán 管理人
店住合一 diàn zhù hé yī 店舗兼住宅
神明桌 shénmíng zhuō 神棚
🏡 まとめ
台湾の住宅には、便利さだけでなく「人とのつながり」「家族の絆」「暮らしの知恵」が詰まっています。
狭くても快適に暮らす工夫、そして温かい人間関係。
それが台湾の住まいが持つ魅力です。
留学や駐在で滞在する方は、部屋探しを通してぜひ台湾の“暮らしの哲学”を感じてみてください。
そこにはきっと、「住む」ことの新しい発見があるはずです。
