台湾を旅するなら、都市のMRTや新幹線だけでなく、地方をゆっくり走るローカル線にもぜひ乗ってみてほしい。
車窓から見えるのは、ビル群ではなく、田んぼ、山、そして小さな町の暮らし。
スピードを落としたその時間の中に、台湾の“素顔”が見えてきます。
中でも人気なのが、平渓線(Píngxī xiàn)。
台北近郊の瑞芳(Ruìfāng)駅から内陸へ向かい、十分(Shífèn)や猴硐(Hóutóng)といった小さな町を結ぶ約13kmの支線です。
線路沿いには古い街並みが残り、線路の上を人が歩く風景も珍しくありません。
十分駅では、空に願いを込めて天燈(ランタン)を飛ばすのが定番の体験です。
🗣️中国語ミニ会話
A:平渓線怎麼去?
(Píngxī xiàn zěnme qù?)
→ 平渓線ってどうやって行くの?
B:從瑞芳坐火車轉乘就可以,很方便!
(Cóng Ruìfāng zuò huǒchē zhuǎnchéng jiù kěyǐ, hěn fāngbiàn!)
→ 瑞芳駅で乗り換えれば行けるよ、すごく便利!
他にも、集集線(Jíjí xiàn)は台湾中部を走る自然豊かなローカル線。
木造駅舎や緑の山々が続く車窓風景は、まるで時間が止まったような穏やかさがあります。
週末には地元の家族連れや鉄道ファンでにぎわい、地方のゆったりとした生活リズムを感じることができます。
そして南部では、阿里山森林鉄道(Ālǐshān sēnlín tiědào)が観光客に人気。
標高2,000mを超える山中を走り、霧の中に浮かぶヒノキ林や朝日を望む風景は圧巻です。
台湾鉄道の原点ともいえるこの路線は、自然と共に生きる人々の歴史を今も静かに伝えています。
💬中国語ワンフレーズ
「慢慢坐火車,看風景就好。」
(Màn man zuò huǒchē, kàn fēngjǐng jiù hǎo.)
→「ゆっくり列車に乗って、景色を眺めるだけでいい。」
🚉中国語ミニ語彙
火車 huǒchē 列車
支線 zhīxiàn 支線(ローカル線)
車站 chēzhàn 駅
風景 fēngjǐng 風景
天燈 tiāndēng ランタン(天灯)
まとめ
台湾の地方鉄道には、時間に追われない旅の魅力があります。
列車の揺れとともに見える田園や人々の暮らし、車掌の声、駅の匂い――。
どれも速さを求める旅では味わえない、“ゆっくり進む豊かさ”です。
ローカル線の窓から見える台湾は、観光地とは違う、本当の生活の風景を映し出しています。


